トップページに戻る
少年リスト  映画(邦題)リスト  国別(原題)リスト  年代順リスト

Storm ストーム

デンマーク映画 (2009)

よくある、「少年と犬」を描いた子供向きの作品だが、ハリウッド物と大きく違うのは、その犬がドッグレースに出場すること。ドッグレースを扱った映画そのものが稀なので、映画でしか観ることのできない体験を与えてくれる。この種の映画には、悪役が登場するのが通り相場だが、この映画でも、極端すぎる悪役が用意されている。あまりにひどいので、キチガイ男という名称で呼ぶことにしたほど、やることなすこと、現実からかけ離れていて、あまりにもひどい。主人公のフレディーには、学校にも虐めっ子がいて、こちらも、見ているだけで吐き気がするほど醜い少年。共に、“やり過ぎ” のきらいがある。ドックレースは、雑種犬スチームが、グレイハウンドに挑戦する話。犬のことは良く知らないが、そんなことが可能なのだろうか。何れにせよ、“終わりよければすべて良し” 式に作られているので、観終わった感じは悪くはないが、少し物足りないような感じも…

フレディーが虐めっ子のマスにやられた後、家に帰ろうと自転車を漕いでいると、1匹の小ぶりの雑種犬が高速で追い抜いて行く。すぐに、ピックアップトラックを乱暴に運転する男が後を追ってきて、犬を捕まえた。フレディーは、犬が可哀想になり、自転車で後を追ったが、男に怒鳴られて逃げ帰る。それでも、フレディーはあきらめず、夕食を一部隠しておき、夜に男の家に行き、犬に食べさせてやる。デンマークを10年ぶりに襲ったハリケーンの夜も、フレディーは夕食を持って行くが、犬が怯えているのを見て可哀想になり、こっそり家まで連れて帰る。フレディーは、嵐にちなんで、犬の名前をストームと呼ぶことにする。フレディーとストームが公園で遊んでいると、ストームは近くで行われていたドッグレースに無断で割り込み、勝手に走り始める。ストームは雑種で、ドッグレースはグレイハウンド専用だったが、レースに犬を出していたソフィーという中年の女性は、ストームの能力に目を留め、フレディーにストームの訓練を勧める。しかし、部屋に隠していたストームが父に見つかり、警官でもある父は、盗んだ犬を飼うなど “もっての外(ほか)” とばかりに、即刻返しに行く。ところが、フレディーが好きになったストームは、乱暴な飼い主から逃げ出し、フレディーのアパートに現れる。それを見た父は、犬を買い取ることを許し、500クローネ、プラス、予備として500クローネを渡す。しかし、飼い主の強欲男は、フレディーが一人で来たので、1000クローネでは足らず、その週の金曜までに2000、翌週の金曜までに さらに2000渡すよう要求する。フレディーは、そのことを父に打ち明けず、必死にアルバイトをするが、金曜までに貯まったのは510。それを見た男は、フレディーのパソコン、ステレオ、ゲーム機、携帯を取り上げ、不足分の1500の代わりに没収する。一方、ストームの訓練は順調に進み、翌週の日曜に行われるレースへの出場が、雑種犬としては初めて認められる。フレディーは、ガールフレンドのアナと一緒にアルバイトに励み、アナの貯金と合わせて2000クローネを用意するが、嫉妬したマスが お金の入ったバッグを跨線橋から電車の屋根に投げ捨て、望みは消える。しかし、そのあまりの “あくどさ” にマスの2人の手下が離反する。ストームは、残酷な飼い主によって連行されるが、フレディーは、マスの元手下2人の助けを借りて飼い主を納屋に閉じ込め、ストームを救い出し、レース場に向かう。そして、優勝。納屋を抜け出した飼い主が妨害しようとするが、フレディーの父が、男の詐欺的行為を知り、フレディーをストームの飼い主だと正式に認定し、優勝が確定する。

マークス・レノウ(Marcus Rønnov)は、1996年6月23日生まれ。撮影は2008年であろうから、撮影時は12歳。映画出演はこれ一作のみ。ストームとの相性がとてもいい。なお、悪役マスの手下の1人を演じたSimon Maagaard Holmは、かなり前に紹介した『Hævnen(未来を生きる君たちへ)』(2010)でも、主人公の1人のエリアスを虐める悪役だし、少し前に紹介した『Zoomerne(ズームレンズ)』(2009)でも、主人公の1人のチムの虐め役。少し可哀想な気も…

あらすじ

映画は、学校の授業中のシーンから始まる。教室内の机の配置は、1人用の机が4つ正方形に並べられ、その正方形が、教壇に対して45度傾いて置かれるという変わった配置。だから、フレディーが後ろを向いて、別の正方形のグループの子に、「消しゴム貸してくれる」と頼むと、貸してくれたアナも振り向くことになる(1枚目の写真)。それを、その背後の正方形のグループから睨んでいる生徒がいる。フレディーを虐めることが生きがいの嫌な子、マスだ(1枚目の写真の矢印)。授業が終わり、フレディーが外に出ると、物陰からマスと、その手下2人が姿を見せ、行く手を阻(はば)む。マス:「寄こせ」。フレディー:「何を?」。「有り金出すんだ」。「どうして?」(2枚目の写真)。「アナに近づくなと言ったろ」。「消しゴムを借りただけだ」。「金を出せ」。「持ってない」。フレディーは逃げ出すが、途中で捕まり、ポケットとバッグを調べられ、本当に一銭も持っていないと分かると、ズボンにペットボトルの茶色の液体がかけられる(3枚目の写真、矢印)。「君に何もしてないじゃないか! やめろ!」。液体を掛け終わると、マスは、「今度は金を持ってろよ。しょんべん臭いガキは、アナに嫌われるぞ」と言うので、液体はマスの小便なのかもしれない。フレディーは、その場に座り込んだまま、悔し泣きするが、1対3では、将来ともに救いはない。
  
  
  

途中で雨が降り出し、フレディーは泣きながら自転車をこいでいる。すると、後ろからすごいスピードで追いついてきた一頭の犬がフレディーを追い抜いていった(1枚目の写真)。フレディーは、速度を上げ、見失わないように後を追う。すると、角を曲がったところで、後ろから、ミニトラックが凄い勢いでフレディーを追い抜いていく(2枚目の写真)。そして、車を停めると、「バカな雑種め、どこに行きやがった!」と怒鳴りながら、逃げ込んだガレージの中に入る。フレディーが近くに自転車を止めて見ていると、「いたな! 俺様に背くとどうなるか教えてやる」という怒鳴り声が聞こえ、男が犬を連れて出てくる。犬は、荷台の檻に入れられるが、それを見ていたフレディーは、男から 「何を見てやがる?」と強く訊かれ、「何も」と答える(3枚目の写真)。「失せろ、クソガキ」。
  
  
  

犬が可哀想になったフレディーは、自転車で後をつける(1枚目の写真、矢印)。フレディーは、男が入っていった地所の手前の茂みで自転車を降り、茂みの間を通って中に忍び込む。そして、壁につながれた犬を見つけると 「怖がらなくていいよ」と声をかける。すると、手前の窓がいきなり開き、「いったい何の用だ。くそったれが!」と怒鳴られ、慌てて逃げ出す。キチガイ男はドアを開けて外に出てくるが、幸い、後を追ってまでは来ない(3枚目の写真)。
  
  
  

フレディーが家に帰ると、警官の職に就いている父が家にいた。「学校は、どうだった?」。「いいよ」。「何か問題でも?」(1枚目の写真)。「ないよ」。父は、寄って来て、フレディーを自分の方に向ける。「おしっこを漏らしたのか?」(2枚目の写真)。「ううん、学校で水かけ合戦をやったんだ。すごく楽しかった」。「ズボンを洗濯機に入れ、きれいなのと履き替えるんだ」。父が、向こうに行こうとしたので、フレディーは 「犬は好き?」と訊いてみる。「とりたてて。なぜだ?」。「訊いただけ」。父が仕事に出かけると、フレディーは 残った食事をタッパーに入れる。すぐに、フレディーの世話を頼んである お手伝いの老婦人アンダースンがやってくる。フレディーが、夜に出かけようとするのを見て、「どこに行くの? あんたの世話をしに来たのに」と言われる。「友だちにコンピューター・ゲーム貸してやるんだ」。フレディーは嘘をついてキチガイ男の家まで行くと、同じ場所に繋がれたままになっている犬に、タッパーに入れた肉料理を食べさせてやる(3枚目の写真)。しばらくして、キチガイ男が車で戻ってきたので、フレディーは、「また会おうな」と言って引き揚げる。家に戻ったフレディーは、アンダースンとカードゲームをするが、彼女は何度やっても負けてばかり。フレディーが勝つたびに、“Røvhul(バカ)” と大きな声で言うのも 一方的なので頭にくる。
  
  
  

翌日の授業の時、教師は、作文(自由課題、最低2ページ)を書くように命じる。フレディーが、「何も書くものかなかったら、どうするのですか?」と訊くと、教師は、「君が興味を持ってたり、上手にできることを書けばいい」と答える。すると、根性の曲がったマスは、「あいつは、何一つできないから、そりゃ大変だな」と減らず口を叩き、生徒たちが笑う〔教師は注意もしない〕。その時、ノックの音があり、西から近づいてくる嵐がハリケーン〔orkan〕になりそうだとの注意がなされ、生徒たちは即刻帰宅となる。次の場面は、家での父との夕食。フレディーは、犬に たくさん食べさせたいので、「ミートボール〔frikadeller〕、もっともらえる?」と頼む。「ランチ、食べなかったのか?」。「ミートボール、好きだから」。そう言うと、父に冷蔵庫からピクルスを持って来るよう頼み、その間に、ミートボールの皿から幾つか取ってポリ袋に入れ、減った分をカバーするため、口に詰め込んで全部食べているフリをする(1枚目の写真)。「それだけ食べりゃ、すぐに大きくなるな」。嵐はひどくなり、雷も鳴り出す。それでも、餌をやりたい一心で、フレディーはミートボールの袋をバッグに入れ、「GUF〔キャンディーの一種〕、買って来るね」と出かけようとする。しかし、嵐が来ているので、当然外出禁止。そこで、フレディーは父と一緒にTVを観る。ニュースでは、1999年以来、最悪のハリケーンと言っている。フレディーは、「お休み」と言って部屋を出て行き、寝室に行くと、ベッドの布団の下に枕を2つ入れて、如何にも中に潜っているように見せかけ、こっそり家を抜け出す。そして、嵐の中を自転車でキチガイ男の家に向かう。犬の横にぴったりと寄り添うと、雷に怯えている犬にミートボールを食べさせようとするが、食べない。そこで、「こんなのバカげてる。行こう」と声をかける(2枚目の写真)。そして、自分の部屋に連れて行くために 嵐の中に連れ出す(3枚目の写真、明るいのは、雷が光った瞬間のため)。
  
  
  

父は、TVを観ていて寝てしまい、ハッと起きると、フレディーの様子を見に行く。すると、ベッドは もぬけの殻。しかし、幸い、その時、フレディーは犬を連れて家に戻ったところだった。そこで、犬を連れて急いでトイレに閉じこもり、犬が鳴き声を出したり、動いて音を立てないよう 「パパに気付かれるなよ」と囁く。父が、トイレのドアをノックして、「フレディー?」と呼ぶと、「何?」と返事する。「大丈夫か?」。「ううん、ちょっと下痢して」。「何かしてやれることは?」。「ううん、平気だよ」。父が行ってしまうと、フレディーは 「いい子だ」と、犬を抱きしめる(1枚目の写真)。そして、父がいないことを確かめて、自分の寝室に戻る。「何て名にしよう? ストームがぴったりだ」〔デンマーク語でも “storm” は嵐を意味する〕。翌朝、天気は回復し、父が勢いよくドアを開け、「フレディー」と起こす。「起きる時間だ。お腹の具合は?」。「いいよ」。「ランチは冷蔵庫に入れておいたぞ」。そう言って、父は ドアを閉める。賢いストームは、ドアの後ろ〔部屋の角〕に隠れていた。ストームは父には見つからなかったが、隣のアンダースンの部屋〔アパートなので〕に入って行ってしまう。当然、誰の犬か問い詰められる。「友だちに世話を頼まれて…」。「学校には行かないの? お父さんは知ってるの?」。「内緒にしてもらえない?」(2枚目の写真)。アンダースンは、フレディーが  “トランプで勝ち続けない” という条件でOKする。開放的な気分になったフレディーは、学校を無断で休み、ストームを連れて公園に行き、木の棒を投げて取ってこさせたり、一緒に地面を掘ったりして遊ぶ(3枚目の写真)。
  
  
  

その公園の近くにあったのが、ドッグレース場。モーターで走る小動物のダミーの音がストームを引き寄せる(1枚目の写真)。ゲートが開き、ダミーを追って、4匹のグレイハウンドが一斉に走り出す。それを見たストームは、元々走ることが大好きなので、レース場を走り始める(2枚目の写真、矢印)。レース中に、別の犬が走り始めたので、いつも1位になっている男は、ブツブツと文句。ストームを連れたフレディーに、「その雑種はいったい何なんだ?」と罵声を浴びせる。「ごめんなさい。勝手に走り始めちゃって」。「レースはぶちこわしだ!」。2位になった優しい女性は、「やめなさいよ。あんたの犬が勝ったんだから」と諫める。そして、帰りがけにフレディーに遭うと、「君の犬、ホントに速いわ。どんな犬なの?」と訊く。「知らない」。「訓練したらどう?」。「そんな、できないよ」(3枚目の写真)。「教えてあげる。毎日、午後4時、ここで一緒に練習しましょ」。「いいよ」。2人は、にこやかに別れる。
  
  
  

フレディーが家に帰ってくると、父が掃除機をかけている最中。そこで、こっそり寝室に行くが、うっかりスケボーを倒してしまう。その音で、父が、ドアを開け、「どうした?」と訊く。「別に」。「なぜ、そんな目で私を見る?」。「どんな目?」。父は、部屋を出ようとして、さっきまでフレディーがいた場所にそのまま残っていたストームに気付く(1枚目の写真)。「あれは何だ?」。「犬だよ」。「犬が、ここで 何してる?」。「取って来た」。「誰から?」。「殴ってたんだ」。「盗みはいかん」。「悪魔みたいな奴なんだ。ここに置いちゃダメ?」。「他人の犬を取ることは許されん。返すべきだ。議論の余地はない」。警官の父は、犬を車に乗せる。相手の場所を示すため、フレディーも同乗する。家が近づくと、ストームが哀れな声を出す。車が停まり、父が 「行くぞ、フレディー」と言う。「行くの、嫌がってるよ」。「来るんだ」。父が、犬を引き、後ろからフレディーが付いてくる。父が玄関をノックすると、キチガイ男が出てきて、「何だ? ああ、見つけてくれたのか。上出来だ。ありがとよ」と言い、犬を引き取り、バタンとドアを閉める。これが、わざわざ、犬を連れてきれくれた人に対する感謝の言葉とは、とても思えない。父も、呆れたであろうが、「行くぞ、フレディー」と車に向かう。ドアの中からは、犬の鳴き声が聞こえる。フレディーは、「ストーム! あいつに殺されちゃう!」と叫ぶ。父は、ストームを助けたくて暴れるフレディーを無理矢理に抱えると、車まで連れて行く(2枚目の写真)。帰りの車の中で。フレディーは、長い間、悲しくて泣いていたが(3枚目の写真)、急に、父に向かって、「大嫌いだ!!」と叫ぶ。
  
  
  

家に着いたフレディーは、すぐに寝室に行き、ベッドに入ってしまう。父が、「ちょっと居間に来ないか?」と呼びにきても、「もう寝る」と断る。「まだ7時半だぞ。それに何も食べてないじゃないか」。「そう? 何も要らないよ。お休み」。翌朝、父は、学校に電話する。「フレディーは病気なので、今日は休ませます」。「分かりました。フレディーは昨日も欠席でしたが、連絡いただけませんでしたね」。それを聞いた父は、フレディーの寝室に直行。「不登校は良くないぞ。学校には行かないと。私は、もう出んといかん」。それだけ言うと、父は部屋を出て行く(1枚目の写真)。入れ替わりに、アンダースンが朝食を持って入って来る。彼女は、犬がいなくなったことを宥めようと、「あんたのパパには、他にやりようがないの。警官は法律に従わないと」と言うが、フレディーは、「法津なんかどうだっていい。ストームに戻って欲しいんだ」と反論。暇な2人は、いつものようにトランプを始める。ストームがいなくなったので、フレディーは容赦しない。そこに父が帰ってくると、フレディーは、“顔も見たくない” とばかりに席を立って、部屋に籠ってしまう。次のシーンでは、フレディーと父が外出している。どうやって2人一緒に出てきたのかは分からない。父が、「フレディー、もう休戦しよう」と言うと、「ストームを連れ戻して」と反駁される。そこに、レース場で会った親切な女性が姿を見せ(2枚目の写真)、「フレディー、訓練はどうなったの?」と訊く。「あの…」。父は 「息子と お知り合いで?」と尋ねる。「レース場で。犬と一緒だったわ」。父は、息子に、「レース場に行ったのか?」と訊くと、女性は、「何か問題でも?」と、父に尋ねる。「あれは、この子が取って来た犬です。だから、返してきました」(3枚目の写真)。「それは残念ね。訓練もしていない犬が、あんなに速く走るの見たことなかったから」。その夜も、雷雨だった。
  
  
  

翌朝、ストームは、フレディーのアパートの前で待っていた(1枚目の写真)。そして、アンダースンが玄関から出てくると、駆け寄る。「まあ、どこから来たの?」。ストームは夫人と一緒に建物内に入る。次いで、フレディーの部屋のベルが鳴る。父がドアを開けると、そこには、夫人とストームが。「犬はどこに?」。「建物の前に」。そう言うと、アンダースンは、食いちぎられたリード紐を見せる。「また返しに行かないと」。「なぜ、犬を買ってやらないの?」。「フレディーには学校がある」。「私が世話してあげる」。ストームは、それで了解がついたと分かると、フレディーの部屋の前まで走っていって、脚でドアを叩く。フレディーは大喜びでドアを開けると、ストームを抱きしめる。「何でここにいるんだ?」。アンダースン夫人は、「アパートの外にいたのよ」と教える(2枚目の写真)。フレディーは、父に、「また、返しに行くの?」と訊く。「あの男の家まで行って、幾らで売ってくれるか訊いてみよう」。その言葉で、フレディーは、「ありがとう、パパ!」と叫んで、父に抱きつく。フレディーは、再び、父の車でキチガイ男の家に向かう。ところが、父の元に警察無線が入り、交通事故が起きたので処理に向かうよう指令が下る。フレディーが、「僕一人で買えるよ」と言ったので、父は500クローネ札を1枚渡す〔2008-2009年の1クローネは約17円。500×17=8500円〕。「もし、足りないと言われたら?」。「なら、あと500持って行け」〔少し、安すぎるような気もするが、デンマークでの雑種犬の相場は、そんな程度なのだろうか?〕。フレディーがストームを連れてキチガイ男の前まで行くと、「お前、いつもそのクソ犬と一緒なのか?」と嫌味を言われる。「買いたいんだ」と言って、500クローネ札を見せる(3枚目の写真)。
  
  
  

警官の父が一緒だったら、キチガイ男の対応も違っていたかもしれないが、500クローネに対する返事は、「そんな端(はした)金じゃ何も買えんぞ」というもの。「じゃあ、幾らなの?」。「5000だな」。「そんな大金、持ってないよ」。キチガイ男は、直ちにストームを取り上げる。「1000ならあるよ」。「渡せ。こいつは手付金だ。金曜に2000、2週間以内にもう2000持って来い」。フレディーは、深く考えもせず、「分かった」と言ってしまう。「もし、持って来なかったら、犬は俺のものだからな」。無茶な取り決めをしたのに、ストームが手に入ったフレディーは大満足。さっそく、金曜までの2000のため、ストームを連れて新聞配達を始める。それが終わると、ストームにお駄賃を食べさせ(1枚目の写真)、抱きしめる(2枚目の写真)。夜、父が帰宅した時、「幾らだった? 500で足りたか?」と訊かれ、「全部渡した」と答える〔この言葉自体に嘘はないが、残りの4000のことも言うべきだった〕。「えらく高かったな」。次のシーンは、恐らく翌日の学校の終了後。自転車で帰ろうとするアナに、フレディーが声をかける。みぞれのような雪が降っているので、冬の到来か? 「犬を手に入れたよ」。「ホント? どんな犬?」。「レース犬」。「グレイハウンド?」〔ネットを見たら、子犬で30万円と書いてあった〕。「ううん。だけど時速70キロで走れるんだ〔測ったことは一度もないはずなので、グレイハウンドの標準速度を言ってみた?〕」。「サバ読んでない?」(3枚目の写真)。「ちょっとね」。「名前は?」。「ストーム」。「ぴったりね」。
  
  
  

学校の授業で、フレディーはずっと考え事をしている(1枚目の写真)〔お金の稼ぎ方でも考えてる?〕。地理の授業で、担任は、「タイはどこだ?」とアナに当てる。「アジア。熱帯気候です」。「よろしい。フレディー?」。フレディーは何度も呼ばれて、ようやく教師の顔を見る。「ブラジルは、どこの大陸にある?」。フレディーが、答えに詰まっていると、マスが、恥をかかせようと、咳いた振りをして、「アフリカ」と言い、マスにいつも虐められて懲りているハズなのに、フレディーは「アフリカ」と答える〔誰が咳いたか分からなかった?〕。生徒達には笑われ、担任からは 「ちゃんと読んで来なさい。笑われたくはないだろ」と言われる。担任は、「マス、どんな気候だ?」と当てる。今度は、マスが戸惑う。アナは、「屋内気候〔室内の温度や湿度、気流のこと〕」と囁き、それを真に受けたマスは、「屋内気候」と答え、生徒達に笑われる。上手な仕返しだ。学校が終わった後、フレディーは、買い物代行や(2枚目の写真)、洗車(3枚目の写真)〔車はジャガーXJ〕、庭の落ち葉掃除などをしてお金を稼ぐ。ただし、この時点で集めたお金は、僅かに90クローネ〔1500円〕
  
  
  

フレディーは、ストームを連れて訓練にでかける。父は、フレディーを助けてくれる女性に気があるので、職務のついでに車で送って行く。レース場で出会った女性は、フレディーがストームを連れているのに驚く。「まあ、どうしたの?」。父は、「お互い、別れてはいられないようなので、買ったんですよ」と教える。「よかったわね、フレディー」。女性はそう言うと、父に向かって、「まだ、ちゃんと挨拶してなかったわね。ソフィーです」と挨拶。「ビヨルンです」。「訓練、観て行きます?」。「今日は夜勤なので、行かないと」。「じゃあ、フレディーの世話はママが?」。「お隣のアンダースンさんがしてくれます。妻は5年前に死にましたから」〔これで、初めて家庭の状況が分かる〕。「それは、お気の毒に」。「ありがとう。でも、かなり前のことですので。アンダースンさんは、とてもいい方でね、もうすぐ80歳なんです」〔アンダースンを、意図的に年寄りにしてしまった〕。ソフィーは、レースの総括責任者ピーターのところにフレディーとストームを連れて行き、紹介する(1枚目の写真)。ソフィーは、ピーターに、「ストームを訓練のため走らせてもいいでしょ?」と頼む。「レース犬じゃないぞ」。「ええ、でも、走るの速いわよ」。いつも優勝するキングという犬の生意気な持ち主は、「キングは、こんな奴とは走らんぞ」と反対し、ピーターも 「グレイハウンドは、グレイハウンドとしか走らん」と同調する。しかし、ソフィーは 「どこに、そんな規則があるの?」と反論し、フレディーも 「半分はグレイハウンドだよ」と言う。キングの持ち主は、すぐに、「半分は、ダックスフントだ」と、雑種であることを強調する。ピーターは、「分かった。試すくらい問題はない」と言ってくれる。「ただし、相手はセイサー〔ソフィーの犬〕だけだ」。「いいわ」。嫌な奴は、「そんなの許されん」と反対するが、ピーターは 「あんたに決める権限はない」と切り返す。そして、2頭だけの競争が始まる。それを見守るフレディーとソフィー(2枚目の写真、結構、他にも見ている人がいる)。ストームは、途中までセイサーに僅差で走っていたが、終盤、疲れて速度が落ちる。ソフィーは、フレディーを慰める(3枚目の写真)。その中で、2週間後に重要なレースがあり、賞金が1万クローネ〔17万円〕という話も出る。フレディーにとっては、ストームを買い取るためには、喉から手が出るほど欲しいお金だ。
  
  
  

夜。フレディーは、ストームを連れて誰もいないレース場に行くと、ストップウォッチを手に 何度も走らせ、速く走るよう促す(1枚目の写真)。「よくやった。10秒、速くなったぞ」。その時、「可愛い犬ね」と声がする。何故か、夜遅いのに、アナがレース場に来て、練習の様子を見ていたのだ〔ちょっと、あり得ない〕。「撫でていい?」。「いいよ」。「どのくらい速いの?」。「ストームは、一周34秒で走れる。だけど、30秒以下にならないと」。そう説明すると、再びストップウォッチを手にし、「今度は30秒以下だ。いくぞ」と言って、走らせる。すると、そこに、さらに あり得ないことに、マスと2人の手下まで現れる。マス:「おやおや、お漏らし屋と一緒なのか?」。アナ:「後をつけてきたの?」。「ここで、何してる?」。フレディー:「君に、関係ない」。それを聞いたマスは、フレディーのお腹に強烈な一発。その時、危機を知ったストームが戻ってきて、噛みつかんばかりに激しく吠える。3人組は、怖くて逃げて行く。翌日、学校が終わってから、フレディーが自転車で帰ろうとしていると、3人組がやってくる。マス:「ブス犬なしで、お前がどのくらい強いか見てみよう」。フレディーは、2人の手下に押さえられ(2枚目の写真)、マスの屁を嗅がせられる。フレディーは悔しくてしばらく泣いていたが、気を取り直して自転車で帰りかけると、アナが 「どうかしたの?」と心配して声をかける。「何も」。「マスにやられたのね?」。フレディーは頷く(3枚目の写真)。「先生に言いつけるわ」。「言わないで」。「なぜ、我慢してるの?」。「告げ口は嫌だ」。
  
  
  

木曜日、フレディーがアルバイトに精を出していると、キチガイ男がやってきて、「覚えてるだろうな? 金曜の朝だぞ」と言う。「学校が終わったら行くよ」。その夜の集計では510クローネ(1枚目の写真)〔1490クローネ足りない〕。その時、父が入ってきて、これから夜勤で明日の朝には戻る、と話す。「何か問題でも?」と訊くが、フレディーは、資金不足のことを相談しようとしない。翌日の午後、キチガイ男の家に行ったフレディーは、「金を寄こせ」と言われ、「510クローネ。全財産だよ」と渡す。「俺をバカにする気か? 2000の約束が500だと?」。「510だよ」。「何、考えてる?」。「すぐ、持って来るから」。「ダメだ」。男は、ストームを取り上げようとする。「僕の犬だ!」。「まだ、なってない」。男は、「何か、金目(かねめ)の物はないのか? コンピュータとか?」と訊く。「コンピュータならあるよ。ステレオも」。「持って来い。見てやる」。フレディーは、ストームを残して家に戻ると、デスクトップのコンピュータ一式と、ステレオ、ゲーム機をダンボールに入れ、自転車用のトレーラーに乗せて家を出る(3枚目の写真、矢印)。ちょうど家に帰った父が、車から降りて、「おい、どこに行く? それは何だ?」と訊くが、このチャンスにも、「ただのガラクタ。アンダースンさんがリサイクルに出したの」と嘘を付く。「お手伝いとは偉いぞ。急げよ、夕食は6時だ」。
  
  
  

キチガイ男は、フレディーが持ってきたものに、いちいち文句をつける。「デスクトップじゃないか。ラップトップを持ってないのか?」。「新品だよ」。「価値は急降下だ」。「何だ、このスピーカー。30ワットだ。役に立たん。これは何だ?」。「プレイステーションだよ。1500クローネした。ゲームで遊べるよ」。「俺が幼稚園児に見えるか?」。そして、「こんなガラクタ、1300の価値しかない」といい加減な嘘を付く。「あと200足りん」。「もうないよ」。「携帯は?」。フレディーは、ポケットから取り出すと、「新品だよ」と言って見せる(1枚目写真、矢印)。男は、携帯を取り上げ、「よし、これでチャラだ」と言う。「犬を連れてっていい?」。「連れてけ。金曜に、あと2000だぞ。忘れるな」。フレディーが帰宅した時には、6時をとっくに過ぎていたので、待ちくたびれた父は、「いったい、どこにいたんだ?」と、イライラして訊く。「リサイクル・センター」。「夕食は6時だと言っただろ」。フレディーには答えようがない(2枚目の写真)。「携帯かけても返事もない」。「失くしちゃった」。「携帯を失くしただと?」。「あちこち探したけど、みつからなくて。だから、遅くなったの」。「私は、百万長者じゃない。新しいコンピュータに、新しい携帯までやったのに」。「ごめんなさい」〔この時点では、コンピュータがなくなったことは、まだ知らない〕。夜、遅くなって、フレディーがベッドに入っていると、父が入ってくる。そして、コンピュータがないことに気付く。フレディーは、「学校だよ」と嘘を付く。「ステレオは?」。「全部、学校」。「何に使うんだ?」。「メディアについての授業」(3枚目の写真)。
  
  
  

翌日、ソフィーから父に電話が入り、今日、出場資格を決めるレースが行われることをフレディーで伝えるよう依頼される。そのレースでは、ストームは最初からずっと2位をキープ(1枚目の写真、矢印)。総括責任者ピーターのストップウォッチは29秒2を指している。そして、「雑種がグレイハウンドを負かすなんて、見たことがない」と驚く。フレディーは、「グレイハウンド2匹だよ」と、単数形を複数形に言い直す。ソフィーは、「前代未聞じゃない」と強調する。フレディーは、「ストームは、DMに出られます?」と訊く〔“DM” は、Danish Championshipsの略語だが、実際に行われるのは、いつもと同じメンバーと場所でのレースなので、そんな大きな大会とは思えない。せいぜい地区大会のようなものであろう〕。ピーターは少し迷うが、OKする。それを聞いたフレディーは大喜び。ストームに抱きつく(2枚目の写真)。父とソフィーも嬉しそうだ〔父は独身だとソフィーに言ったが、ソフィーが独身かどうかは確かめていない〕。次の場面は、教室。生徒たちが提出した作文を、担任がコメントしながら返却している。アナは、もちろん褒められる。マスに対しては、「内容は悪くないが、書き方がずさんだ。月曜までに書き直しなさい」と、ザマミロの低評価。一方、最後になったフレディーに対しては、「とてもよく書けていて、情熱が感じられる。ここに来て、読んでくれないか?」と、ベストの評価。フレディーは、作文に、ストームをどのように訓練したかを書いていた。生徒は、レースが日曜にあると聞き、見に行きたくなる。そうした状況に、アナも嬉しそうだ。2人は完全にステディな関係なので、逆に、映画の冒頭で、醜悪な顔のマスが、「アナに近づくなと言ったろ」と言った意味がよく分からない〔アナはマスを嫌っているし、相手にもしていない〕
  
  
  

アナは、フレディーの資金集めに全面的に協力する。それは、キチガイ男のトラックが、2人の前で急停車し、男が、フレディーに向かって、「明後日は金曜だ。遅延は許さんぞ」と言ったのを聞いたため。アナ:「あれ、誰なの?」。「ストームの持ち主」。「買ったんじゃないの?」。「まだ、2000クローネ借りがある。払わなかったら、ストームを取られちゃう」。「だから、いつもバイトしてたの?」。「うん」。「手伝ってあげようか?」。「ホント? ありがとう」。それから、フレディーは新聞配達、アナは廃品回収を始める(1枚目の写真)。その日の収益は、780クローネ。翌日は、2人で庭のベンチのペンキ塗りでお金を稼ぐ(2枚目の写真)。それでも、まだ、900クローネ。一方、アナは、豚の貯金箱を前にじっと考え、大好きなフレディーのためならと、金づちを振り上げる(3枚目の写真、矢印は金づち)。翌朝学校の自転車置き場で会ったアナは、「お金数えた?」と尋ねる。「幾らだった?」。「まだ1100足りない」。アナは、封筒を渡す。「これ何?」。「豚の貯金箱を割ったの。1035クローネあるわ」〔まだ、65クローネ不足〕「貸してあげる。今すぐ要らないから」。「日曜に勝つから、すぐに返せるよ」。その様子を、物陰でマスが聞いていた〔マスの写真があらすじに1枚もないが、あまりに醜く、見るに堪えないため〕
  
  
  

マスは、手下2人を呼び出し、鉄道の上を跨ぐ歩道橋でフレディーとアナを待ち伏せる。前〔背中〕にはマス、後ろには手下2人で挟まれたので、橋からは逃げられない(1枚目の写真)。手下の1人が、フレディーのバッグを奪う。そして、3人で、ぐるぐるとパスし、フレディーに返さない。そのうち、マスが、わざと橋の外に投げる。バッグは、ちょうど通りかかった電車の屋根の上に落ち(2枚目の写真、矢印)、そのまま運び去られてしまう。ストームを手に入れる道を完全に絶たれたフレディーは、マスにつかみかかり、「何をしたか、分かってるのか? これで、ストームを買えなくなったんだぞ! バッグの中には2000クローネ入ってたんだ!」と怒鳴る。「知らなかった」。「人でなし!」。そう叫ぶと、フレディーは、欄干にもたれて涙を流す(3枚目の写真)。起き上がったマスは、手下に 「来い。行くぞ」と声をかけるが、自分たちの行為が恥ずかしいことだと悟った2人は、マスと縁を切る。
  
  
  

翌朝、フレディーとアナが公園で レースのためにストームをウォームアップさせていると、突然、キチガイ男が現れる。「金曜には、どこにいた?」。「今日の午後、渡すつもりだった」「やめてよ、これからDMがあるんだ」。「何をほざいてる」。「レース場だよ」。男は、問答無用で、ストームを連れて行こうとする(1枚目の写真)。フレディーは、ストームを奪おうと飛びかかるが、突き飛ばされて、「午後4時までに2000持って来い」と言われただけ。フレディーとアナは、マスと決別した2人に助けを求める。4人は自転車でキチガイ男の家に向かう。そして、元手下の2人だけが、家のベルを鳴らし、出てきた男に、「サッカー・クラブから来ました。フリーマーケットに寄付して下さるような古い物はないでしょうか?」と訊く。さらに、「僕らのクラブがドイツに行きたいからです」とも。男は、協力を拒否するが、「もし、納屋に何かお持ちでしたら、お支払いしますが」と言うと、芯から腐った男は、「幾らある?」と訊き、「100クローネ」〔1700円〕と言われると、「見せてみろ」と言う。「もっとないのか?」。「いいえ」。そんな少額でも、欲の突っ張った男は、2人を納屋に連れて行く。男は、納屋の木の扉の閂〔かんぬき〕を外し、中に入って行く。2人は、素早く閂を拾うと、扉を閉めて閂を掛ける(2枚目の写真、矢印は閂を掛ける方向と場所)。キチガイ男が中で怒鳴るのを無視し、4人はストームを連れてレース場に急ぐ(3枚目の写真)。
  
  
  

フレディーたちは、レースの開始にぎりぎりで間に合う。イライラして待っていた父からは、「どこにいたんだ?」と叱られ、アンダースンからは、「なぜ、遅れたの? 急いで」と急かされる。一方、キチガイ男は、納屋の中でトラクターにエンジンをかけようとする。なかなかからないので、まさに、キチガイのようにトラクターを叩きまくる。フレディーは、ストームが箱状のゲートに入れられる前に、何事かを囁く。それを見ていたキングの飼い主は、「幸運が頼りだな」と意地悪を言う。フレディーと一緒にいたソフィーは、「レース中、ゲートの近くにいると失格になるわよ」と、男のスボンがゲートの箱に挟まっているのを見て〔挟まっていることは黙ったまま〕、指摘する。ソフィーは、男のそばを離れてから、何が起きているかをフレディーに話し、2人は笑いこける(1枚目の写真、後ろに映っている意地悪男のズボンが、箱の扉に挟まっている。一旦閉めたら、開けるのは反則なので、ズボンを破るしかない)。そして、いよいよレース開始。その頃、キチガイ男は、なんとかトラクターのエンジンをかけ 納屋の扉を突破し、トラックに乗ってレース場に向かう。レース序盤では、キングが首位、ストームは最下位だった(2枚目の写真、矢印)。しかし、ストームはカーブで追い上げ、あっという間に2位に。そして、最後のカーブでキングに追いつくと、僅差で1位となる(3枚目の写真)。
  
  
  

学校から応援に来た担任と生徒たちは大喜び(1枚目の写真)。父もフレディーに抱きついて、勝利を称賛する。表彰台には、3位ソフィー、2位キングの男が立つ。そして、フレディーがストームと一緒に中央の台に乗ろうとした時、キチガイ男が現われ、「そいつは俺の犬だ」とストームを捕まえる。フレディーは、「2000クローネ渡せるよ」と言うが、「値段は、跳ね上がったんだ」と拒否。そこに、フレディーの父が介入する。「いったい、どうなってる?」。「これは俺の犬だ」(2枚目の写真)。父は、「1000クローネ、払ったんじゃないのか?」とフレディーに尋ねる。「5000だよ。追加要求されたんだ」。その時、キチガイ男の携帯に着信があり、父は、それがフレディーの物だと気付く。フレディーは 「お金がなかったから」と、事情を話す(3枚目の写真)、「携帯も、ステレオも、コンピュータも全部渡したんだ」。男は 「契約は契約だ」と弁解するが、相手は警官。「ちょっと来い」と脇に連れて行き、何事かを話す〔恐喝か詐欺の容疑で逮捕するとでも言ったのか?〕。男は、ストームを父に渡す。父は、「さあ、これで お前のものだ」と言ってストームを渡す。
  
  
  

そして、表彰式。フレディーは、優勝カップを高々と掲げる(1枚目の写真)。そして、応援に来てくれたクラスメイトに向かって、「1時間後、僕の家で会おう」と声をかける(2枚目の写真)。父は、ソフィーに、「あなたもどうぞ。フィレディーをすごく助けて下さった」と、声をかける。「お招きありがとう」〔ソフィーも、まんざらではない様子〕。映画は、フレディーが、クラスメイトに胴上げされるところで終わる(3枚目の写真)。
  
  
  

ここからは、エンドクレジットの中に挿入された、大きさが4分の1の映像。だから、少しピントが甘くなっている。最初は、フレディーの家でのパーティ会場に、キチガイ男が、パソコンなどの入ったダンボールを持って入ってきた場面(1枚目の写真)。男は、箱を床に置くと、「お前の持ち物と、500クローネだ」と言い、お札を差し出す。フレディーが渡したお金は510クローネだったので、「10クローネ、足りないよ」と指摘する(2枚目の写真)。「ごちゃごちゃ言うな」。そこに、アンダースン夫人が来て、「ちゃんと返しなさいよ」と注意する。キチガイ男は、いつもの癖が出て、「このクソアマが」と言ってしまい、怒ったアンダースンは、手に持っていたお菓子の皿を男の顔に叩きつける(3枚目の写真、矢印は皿)。
  
  
  

一方、父とソフィーは、2人だけで仲良く話している。父が、コップの中身を服の上にこぼしてしまうと(1枚目の写真)、まるで奥さんのように、拭き取ってくれる。最後に、フレディーは、アナから借りていたお金を返す。「貸してくれてありがとう」。「いいのよ」。そして、2人は握手する(2枚目の写真、矢印)。「あめでとう」。「ありがとう」。そして、炭酸飲料で乾杯する。フレディーは、床に、ストーム用の食べ物の皿を置き、ストームが食べ始めると、優しく撫でてやる(3枚目の写真)。
  
  
  

   の先頭に戻る              の先頭に戻る
  デンマーク の先頭に戻る         2000年代後半 の先頭に戻る

ページの先頭へ